デリケートゾーンのかゆみの症状や疾患ごとの原因と対策方法

デリケートゾーンのかゆみの症状や疾患ごとの原因と対策方法

女性のデリケートゾーンはつくりが複雑で、名前の通りデリケートな部分です。それにもかかわらず生理や排泄物、性交などで、日々刺激にさらされているのです。

においや黒ずみなどの悩みも多いけど、「かゆみ」のトラブルを抱えている人もたくさんいます。陰部のかゆみは放置すると、治りが遅くなる場合もあるけど、日頃からお手入れすれば防ぎやすくなります。

デリケートゾーンのかゆみが起きた時、何が原因でトラブルになっているのか、ある程度判断できることが大切です。

1.デリケートゾーンがかゆみは症状によって種類がちがう!?

痒みを伴うデリケートゾーンのトラブルは、いくつかあります。それぞれ原因や症状の出方、治療法まで異なります。おおまかな症状を表にまとめ、各疾患の原因と治療法を解説します。

デリケートゾーンのかゆみを伴う疾患の種類と症状

種類 痒みや痛み おりもの様子 その他の症状
カンジタ ムズムズした痒み ・白い
・ポロポロ ・赤み
・硬い
白癬症 ムズムズした痒み ・白い
・ポロポロ ・湿疹
・円形
トリコモナス膣炎 痒み→痛み ・クリーム色
・泡っぽい ・湿疹
・におい
・ヒリヒリ
尖圭コンジローマ ムズムズした痒み 変わらない ・できもの
・ぶつぶつ
・尖っている
毛じらみ 強い痒み 変わらない ・虫や卵が見える
疥癬 強い痒み 変わらない ・斑点
・赤み
性器ヘルペス 痒み→痛み 変わらない ・水泡
・ぶつぶつ
・しみる
接触皮膚炎 強い痒み 変わらない ・腫れ
・赤み
脂漏性皮膚炎 ムズムズした痒み 変わらない ・赤み
・かさぶた
・皮がむける
外陰萎縮症 ムズムズした痒み 変わらない ・乾燥
糖尿病 ムズムズした痒み 変わらない ・乾燥
精神性疾患 強い痒み 変わらない ・傷
・ただれ
・赤み

かゆみを伴う疾患の種類1.カンジタは白いおりものが特徴!ムズムズしたかゆみや赤み

デリケートゾーンや膣内が、むず痒くなり、白い豆腐カスのようなおりものが出ます。においはとくにありません。進行すると大陰唇(Iラインの外側のぶ厚いところ)が、赤く腫れます。

原因

免疫力の低下による、カンジタ菌の増殖が原因です。疲労や栄養不足、妊娠時にかかりやすいです。長期間にわたる抗生物質の服用で発症したり、性行為でうつされたりして起こります。

治療

膣座薬や軟膏(抗カンジダ剤)で治療します。1週間以内に自覚症状がなくなり、10日ほどで治ります。

かゆみを伴う疾患の種類2.白癬症も白いおりものや痒みがある!丸くて赤い湿疹

カンジタと同じように痒くて白いおりものが特徴ですが、デリケートゾーンがもっと腫れます。ももの付け根あたりまで湿疹ができ、丸くて赤みを帯びています。

原因

白癬陰・水虫・たむしの原因である真菌に感染しておきます。

治療

カンジダと同じ方法ですが、薬は抗白癬剤を使用します。10日ほどで治ることが多いです。長引くこともあります。

かゆみを伴う疾患の種類3.トリコモナス膣炎はおりものが黄色っぽい!ヒリヒリと痒い湿疹

始めのうちはムズムズと痒いですが、徐々にヒリヒリした痛みに変わります。クリーム色の泡のようなおりものが出て、悪臭も伴います。

原因

トリコモナス原虫にうつって起こります。性行為で感染するケースが多いです。

治療

膣に近い臓器にも広がることがあるので、薬を全身投与します。内服薬と膣座薬の2つで治療します。使用量によって変わりますが、飲み薬は1日~10日ほど、膣座薬は10日間ほどが目安です。

かゆみを伴う疾患の種類4.尖圭コンジローマは尖ったぶつぶつ!かゆいできものが多発する

Iラインや尿道にできものが、ぶつぶつとできます。徐々に先が尖った形に変形します。まれに陰部以外にも出来、痒みや灼熱感を伴うこともあります。

原因

ヒト乳頭腫ウィルスに感染して起こります。

治療

できものを手術で除去する、冷凍療法で凍結させて治療します。ほかにも薬物療法や、レーザーをあてて消滅させるCO2レーザー療法もあります。

3週間ほどで治りやすいです。妊婦さんに症状がある場合は、胎児にうつる可能性があるので、帝王切開となることがあります。

かゆみを伴う疾患の種類5.毛じらみは眠れないほど激しいかゆみが特徴

激しい痒みが陰毛周辺に起こり、成虫や卵を肉眼でも確認できます。

原因

ケジラミがアンダーヘアに住み着き、血を吸うため痒みが起こります。1mm弱~1mmほどの大きさで、赤茶色をしています。雌は10個ほど産卵し、約1週間でふ化します。

治療

ケジラミはしっかりアンダーヘアをつかんでいるため、簡単に除去できません。そのため脱毛するのがベストな方法です。そのままにしておくと、どんどん卵を産み増殖します。炎症が起きている場合は、塗り薬で対処します。薬物の刺激が強いので、病院で処方された薬を医師の指導の元使用してください。

かゆみを伴う疾患の種類6.疥癬(かいせん)は全身に広がる!激しいかゆみと小ささできもの

赤くて小さなポツポツが出来ます。激しい痒みを伴い、デリケートゾーンだけでなく全身に広がっていくのが特徴です。手の指の間や乳首の下が、乾燥してひび割れたように見えることがあります。ヒセンダニが角質層に産卵する時、横方向に穴を掘るため、ダニが移動した形跡に小さな発疹ができます。これを疥癬トンネルと呼びます。

原因

0.5mm弱のヒセンダニが皮膚に住み着き起こる痒みです。1日に1~2個産卵し、1~2ヵ月生存します。数日でふ化して約13日で成虫になります。

治療

お風呂の後など皮膚が湿っているうちに、殺虫効果と痒み止め効果が望める薬を塗ります。軟膏はできものが消えるまで使用し続けます。疥癬の塗り薬は肌刺激が強いため、用法用量を守らなくてはいけません。

ステロイドが入っていない外用薬を使用します。ステロイド配合の疥癬の軟膏は、悪化する場合があるため使わないようにしましょう。

かゆみを伴う疾患の種類7.性器ヘルペスは米粒ほどの湿疹ができる!激しいかゆみやしみる

性行為などが原因でうつり、約1週間潜伏します。発症すると激しいかゆみが大陰唇(Iラインの外側)に起こり、米粒ほどの水泡が大量にできるのが特徴です。

最初はムズムズと痒いですが、だんだん痛くなり、下着の擦れで歩行困難になることもあります。排尿時にしみる、鼠けい部のハレや痛みを伴います。

原因

ヘルペスウィルスの感染が原因です。

治療

約3週間で抗体ができるため、自然治癒する場合もあります。しかし日常生活への支障や、再発のリスクもあるため、早めの治療が大切です。

ウィルスに対抗する飲み薬と塗り薬で治療します。痛みがひどい時は痛み止めも処方してもらえ、治るまでに大体3週間かかります。

妊婦さんが感染すると長引くことが多いです。出産時に赤ちゃんに感染しないために、帝王切開する場合もあります。

かゆみを伴う疾患の種類8.接触皮膚炎は赤い腫れが特徴!ムズムズとかゆいかぶれ

ウィルスや虫が原因ではなく、外部刺激によって起こるものです。かぶれと言われています。ナプキンやおりものシートに接触して、赤く腫れたり痒くなったりするのが特徴です。その他にもむくみや水泡などの症状も出ます。

おりものへの変化はとくにありません。痒み以外にも、痛みや灼熱感を感じることもあります。

原因

ナプキン、おりものシート、合成繊維の下着、尿、石鹸、洗剤、コンドームなど、デリケートゾーンに接触するものが原因となります。肥満の人は皮膚どうしで摩擦して起こりやすくなります。

治療

原因物質の使用をやめ、ステロイドや抗生物質の入った塗り薬を使えば約1週間で治療が望めます。進行すると治りが悪くなるため、原因となるものを早めに突き止めるようにしましょう。かぶれではなくアレルギーの可能性もあるため、正しく判断することが大切です。

かゆみを伴う疾患の種類9.脂漏性皮膚炎はかさぶたや皮がむける!

炎症と痒みがあるため、掻きむしるとデリケートゾーンにかさぶたができます。掻いたことで皮膚が白くなり、ポロポロとめくれ落ちますが、黄色く見える場合もあります。下着にかさぶたが落ちると衛生環境も悪化しやすいです。

原因

はっきりとした原因はありませんが、遺伝またはストレスによるものと言われています。
皮脂をエサにする真菌の異常発生で起こるため、皮脂量とも比例していることが多いです。

治療

基本的にはステロイド配合の外用薬が使われますが、最近は抗真菌の外用薬を使用する場合もあります。抗真菌薬はステロイドより副作用が少ない反面、効果がゆるやかで、重症時にはあまり向いていません。そのため再発予防などによく使われます。

かゆみを伴う疾患の種類10.外陰萎縮症は肌が乾燥する!ムズムズとかゆい

高齢者に多く皮膚が薄く萎縮し、うるおいやハリが不足します。乾燥するため痒みが起き、老人性膣炎を併発することがあります。

原因

更年期ごろや卵巣を全摘出した際、女性ホルモンのエストロゲンが減って起こります。

治療

エストロゲンの入った膣座薬や飲み薬を使用します。ホルモンを補うことで膣内のうるおい力を実感でき、スムーズな性行為にも繋がります。

かゆみを伴う疾患の種類11.糖尿病も肌の乾燥やむず痒さが特徴

糖尿病にかかっていると、デリケートゾーンに集中して痒みが起きます。カンジタ症にもかかりやすくなります。ちなみに肝臓病や腎臓病は全身に痒みが生じやすいです。

ビタミンB2が足りない時も、陰部に赤み・腫れ・かゆみが生じます。ビタミンB2不足の際は、口角や唇がただれるので、糖尿病との区別がつきやすいです。

原因

糖尿病により血糖値のバランスが崩れ、乾燥や皮脂が不足し、かゆみが起こります。

治療

治療を受け血糖値が下がれば痒みは治まります。カンジダや膣炎を併発している時は、塗り薬や座薬で治療します。治りが遅く根気強い治療が必要です。

かゆみを伴う疾患の種類12.精神性疾患はただれやすい!血が出るほど掻いて傷がつく

病気が原因ではなく、陰部にかゆみが起こるのが特徴です。激しく症状が出るため、寝ている間にかいて赤くただれることもあります。

布団に入り体温が上がると、かゆみが強くなる人もいます。慢性化すると皮膚が分厚くなる、二次感染で激しいかゆみに変わるため要注意です。

原因

精神的な病気によって起こります。不安神経症などで、脳内のかゆみを感じ取る神経が刺激され、痒いと感じます。

治療

向精神薬などで脳内にアプローチします。かきむしって傷がある時は、ステロイド配合の塗り薬を使用します。就寝時にかいてしまう人は、手袋をつけて寝ると良いでしょう。

2.どうすればデリケートゾーンのかゆみの症状を予防できるの?

デリケートゾーンの痒みと言っても色々な種類があります。「感染するもの」と「感染しないもの」の2つに分類できます。

例えばカンジタはカンジタ菌の感染、ケジラミはムシの寄生が原因です。一方で接触皮膚炎は感染が関係なく、下着やナプキンなどで起こります。

今回紹介したものは原因も治療も異なります。しかし共通する予防法はあります。それが「陰部を清潔に保つこと」です。

2-1.なぜ清潔にするとデリケートゾーンのかゆみを予防できるの?

衛生環境が整っていれば、感染予防やバリア機能の向上が望めるからです。そのため感染の有無にかかわらず、かゆみが起こりにくくなるのです。

ただし一生懸命洗えば良いわけではありません。そしてかきむしる、かさぶたを取るのは止めましょう。肌が傷つき二次感染や悪化に繋がりやすくなるからです。

2-2.今日からでもできる!デリケートゾーンのかゆみ予防

予防法は色々ありますが、洗い方がとくに大切です。デリケートゾーン向けの石鹸で、優しく洗いましょう。

⇒デリケートゾーンの洗い方に関する詳しい内容は「石鹸で洗ってもいい?デリケートゾーンの正しい洗い方の基礎知識」のページにまとめましたのでお読み下さい。

膣内洗浄器を使う方法もあります。定期的に使用するのも1つの手段です。その他にも通気性の良い綿やシルクの下着にかえる、肌刺激の少ない生理用品にかえるなどでもOKです。

ちょっとしたことですが、予防はしていけるので、是非チャレンジしてみてください。

3.我慢しないで早めに受診!デリケートゾーンのかゆみの症状が出た時

もしデリケートゾーンのかゆみがあった時は、なるべく婦人科や産婦人科を受診することをお勧めしています。ただのかぶれだと思っていても、症状が悪化する、進行する病気の可能性もあるからです。

疾患にはそれぞれ症状にも特徴があるけど、素人の判断は難しいです。どうしても病院に行けない時は、陰部専用の痒みどめを使うのも1つの方法ですが、病院で診てもらう方が間違いありません。

デリケートゾーンに異常を感じたら、無理せず早めに対処してくださいね。